【イベントレポート】
2024年10月26日(土)
ロバート キャンベルさんの講演
「災禍見聞の文芸と思考」
於:大阪大学中之島センター
基調講演:ロバート キャンベル氏
鼎談:ロバート キャンベル氏×鷲田 清一氏×飯倉 洋一氏
大阪大学中之島センターで開催された、「懐徳堂創立300周年記念シンポジウム」に大塩事件研究会の会員数名で参加した。メイン会場は満席だったが、サテライト会場の大きなスクリーンを前にリアルタイムでお聞きすることができた。
ロバート キャンベル氏の基調講演のタイトルは、
「災禍見聞の文芸と思考」~大塩平八郎の乱をきっかけとした都市観察の記録と「証言文学」の可能性をめぐる考察~
ウクライナで戦火から避難されている人々の証言が収められたご著書『戦争語彙集』の紹介とともに、有事の際に「証言」がどのように生まれ、伝わっていき、流布されるのか。その中で様々に変化し、大切な言葉として受け継がれ、アーカイブされていくと話された。

氏の温めていらっしゃる次著もぜひ拝読したいと、楽しみが募る。
続いて、大塩平八郎の実録物『天滿水滸傳 大鹽平八郎實傳 全』(明治15年刊)の紹介があり、いよいよ話題は、大塩平八郎の乱へ。大塩平八郎は、実録小説になるほど、明治初期まで英雄視されていたとのこと。
大塩は 本の数々 売払ひ これぞむほんの 始めなりける
この売払い先の書肆の一つ、河内屋新次郎の「証言」を中心に、大塩平八郎の乱による、いわゆる「大塩焼け」から逃げ延びた人々の乱後まもなくに書かれた史料を示しながら、「証言」や「記録」の重要性を説かれた。
本を売払った理由は、以下の通り(筆者引用)。
天保八年(一八三七)二月初旬、蔵書を売り払って得た資金六六八両を基に、市中安堂寺町の本会所で窮民一万人に金一朱ずつの施行を敢行するのである。
「証言をアーカイブすることが、その社会の再生・存続の為に重要」という氏の言葉が心に残った。
「大塩の乱関係資料を読む部会」で、乱当時の人が残してくれた記録を翻刻し、大塩事件研究会の学術刊行物『大塩研究』で発表しているが、そのことの意義と責任を改めてかみしめた。
講演の最後に、大塩平八郎の乱のことをもっと知りたい方のためにと、当会藪田貫会長の著書の紹介もあった。

*会長の著書の紹介があった時、心の中で大拍手だったのは内緒の話(笑)。恥ずかしながら、会の新参者である筆者にとって、諸先輩推薦の森鴎外や幸田成友の著書は表現が難解すぎて、この本がなければ、このニュースレターは一行も書くことができません💦 断然おすすめ、です!
シンポジウムの後半は、ロバート キャンベル氏、鷲田 清一氏、飯倉 洋一氏の鼎談というなんとも贅沢なプログラム。大阪だからこその話題の数々は、私の筆力では到底書き記すことは適わない。シンポジウムのアーカイブは、後日主催側のHPで公開されるとのことなので(私の聞き間違いでなければ…)、そちらでご確認を。
*残念ながらサテライト会場での参加でしたが、Zoomのカメラワークが素晴らしく、キャンベルさんが手元で紹介くださった書籍などもはっきりと見ることができました。そして、そして! なんと! 閉会後に、登壇者のみなさまがサテライト会場へお越しくださったのです✨ みなさまのご配慮に感謝いたします(○○側の席に座っていれば…と後悔したのも、ナイショです)。ご登壇された方々、関係者のみなさま、本当にありがとうございました。(やま)
※「大塩事件研究会」及び「大塩の乱関係資料を読む部会」の今後の予定や公開イベントをニュースレターで配信します。ぜひメールアドレスをご登録ください(登録・配信無料)。
すでに登録済みの方は こちら