【創立50周年企画】天保擾乱/開幕前夜
いよいよ、明日令和7年11月5日、中之島図書館において、「天保擾乱 ー大塩平八郎の実像ー」展が始まります。
その展示作業のようすを少しご紹介いたします。
展示室入口。かっこいい!
研究会の役員、関係者総勢約10名が、わらわらと展示室へ集まり、ガヤガヤ、わちゃわちゃ~~~
普段見ることがない展示の裏側を体験! これは、きちんと記録しなきゃ…と張り切って、いざ出動。
真剣な面持ちで打合せ中
これらのケースがどう変貌したかは、11月5日以降、中之島図書館でお確かめくださいね
非学芸員の私たちにもできる作業が多々あって、あっちうろちょろ、こっちうろうろ・・・。
救民の下に集いし同胞たち
見に来てくださる人が見やすいように、伝えたい内容がより伝わるように・・・展示を作るのって、たいへんなんですね。博物館の展示には、学芸員さんの様々な思いと苦労が込められているのだと、実感することができました。
割り振られた作業を黙々とこなしていたら、記録用の写真をほとんど撮っていないことに気付き愕然とするニュースレター担当💦 お見せできる写真が少なくて、ごめんなさい。数少ない写真の中から、とっときの一枚を。先日のフィールドワークで「救民」の旗を手に私たちを先導してくださった案内人の狐狸窟彦兵衛さんです。
「救民」旗には並々ならぬ思い入れのある彦兵衛さま💚
あ、お断りを少々…。上の写真、準備中且つ大塩事件研究会の所蔵品なので、撮影いたしましたが、展示会場内は、撮影禁止です。申し訳ありませんが、ご観覧の皆様による撮影はご遠慮いただいております。
なお、「救民」旗をはじめ、会の所蔵品を例会で公開の際は、写真を撮影可の場合が多々あります。ぜひ例会へも足をお運びいただけると嬉しいです。
今回の展示では、原史料も多く並んでいます。貴重本は、学芸員資格のある会員が取り扱います。その仕事の手際の良さと技につい見とれてしまい、思わず作業の手がとまる庶民の私たち。
だって、学芸員の仕事を間近に見ることなんて、そうそうありませんから!皆さんも学芸員さんのお仕事に興味あるますよねぇ~ そんな方に耳より情報です!
11月1日より大阪市立自然史博物館で特別展「学芸員のおしごと」が始まりました。学芸員さんが普段何をしているのか、特別展がどんな風に作られていくのか、知らなかったこと・知りたかったことがいっぱいの特別展です。
その展示の中で、個人的に目を引いたのが、収蔵庫の大敵・害虫コーナー。害虫の文字を見て、うへ~と思ったみなさま、画面を閉じないでもうちょびっとおつきあいください!
博物館での古文書類の展示で、こんな穴(?)を見たことありませんか?
何ページにもわたって同じ形状でズドーンと穴が開いている時もあります。「天保擾乱」展の展示物でも見つけることができるかもしれません。
ムシ(害虫)に喰われてしまった跡なんです。この犯人の仲間が、下の写真の中にいます。
さて、どれでしょう?
特別展に行くとどれか一枚もらえます(数量限定)。フリーパスを買うと全種もらえます!
答えは、このコの仲間で、科人(とがにん:犯人のこと)の名前は「フルホンシバンムシ」。
標本を食べる「タバコシバンムシ」。畳や乾物類も食べるので、家の中で見たことがあるかも…(横の黒い線の長さが1mmです)
肝心の「フルホンシバンムシ」の写真がないのは、70年以上の歴史を誇る自然史博物館にも標本が少ないから。写真はありませんが、フルホンシバンムシの見た目は、上のタバコシバンムシと似ているそうです。
フルホンシバンムシっぽい虫が見つかったら、「欲しい!!」と大阪市立自然史博物館の学芸員さんが仰っていました。もし、古文書の中から出てきたら、どこで・誰が・いつ捕まえたのかをメモして 、まずは学芸員さんへご連絡を。
写真は成虫で、実際に本の中にトンネルをつくるヤツは、幼虫(白っぽい小さいイモムシ)だそうです。あと、シミ(上の害虫カードの中にいます)も本を食べるけど、これはトンネルを掘らず、本のあちこちをはむはむと食べてフンをする💢
シバンムシを感じで書くと、死番虫。英語ではdeath-watch beetle。文書をムシ目線で見ると違った世界が見えて興味が尽きません。蔵書がたくさんあった大塩さんもフルホンシバンムシに悩まされたのではないでしょうか。
さて、「天保擾乱」展の会場、中之島図書館の近くには、栴檀木橋(せんだんのきばし)があります。その名の通り、橋のたもとには、センダンの木があります。
大きい!
ここで、思わず誰かに話したくなる「センダン話」をひとつ。
センダンは、橋の欄干や電灯のデザインにあるように、5枚の葉っぱが特徴的で・・・
あーー、ちゃうちゃう!
これ、5枚の葉っぱとちゃうねん。1枚に見えるのは、葉っぱの一部やねん。え?、なにわけのわからんこと言うてんねんって?!
えっと、これがセンダンの1枚の葉っぱ🍃
よーわからん?!
これ、これ、この黄色で囲ったところ全部で1枚の葉っぱやねん!!
へっ? と思うやんねぇ~。ほんで、次の瞬間、おもしろい!!って思う。しょっちゅう近くを通ってたのに、全然知らんかった。
「複葉(ふくよう)」といって、小さい葉っぱ(小葉:しょうよう)がたくさんに見えるけど、葉っぱの定義に照らし合わせると、上の大きな範囲で「1枚の葉」となるそう。詳しくは、図書館の植物図鑑とかで調べてみてくださいね。
「天保擾乱」のイベントは、まだまだ続きます。追加情報はこのニュースレターと公式Xで発信しますので、登録がまだの方は、ぜひメールアドレスの登録をよろしくお願いします。
謝辞:
今回のニュースレターの記事は、大阪市立自然史博物館の学芸員の方々のご厚意とご教示のお蔭による部分が随所に含まれています。特に、横川昌史さん、藤江隼平さんのお二方には、目からウロコのお話をたくさん教えていただきました。心より感謝申し上げます。
参考:
大阪市立自然史博物館HP https://omnh.jp/
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